婚外恋愛とは?配偶者以外の異性と恋愛することの5つのリスクを解説

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婚外恋愛とは?配偶者以外の異性と恋愛することの5つのリスクを解説

婚外恋愛とは、既婚者が配偶者以外の異性と恋愛することです。

人の心には異性に恋をする機能が本能的に備わっています。

そして、結婚したとしても、人の心からその機能が失われるわけではありません。

そのため、理性ではいけないことだと分かっていても、配偶者以外の異性を好きになってしまうことがあります。

ただし、配偶者以外の異性と恋愛することにはリスクがつきまといます。

異性とプラトニックな恋愛関係を築くにとどまらず、肉体的に結ばれる(不倫・不貞の関係となる)ことは結婚の「正しいルール」に違反する行為です。

「婚外恋愛」を続けた場合には、

  1. 配偶者から離婚・慰謝料を請求されるリスク
  2. 恋人を紛争に巻き込んでしまうリスク
  3. 恋人の夫・妻から慰謝料を請求されるリスク
  4. 配偶者と離婚できなくなるリスク
  5. 配偶者と別居した際に婚姻費用がもらえないリスク

が発生します。

1.「婚外恋愛」とは?

⑴好きになってしまうことは避けられない!

「婚外恋愛」とは?

婚外恋愛とは、既婚者が配偶者以外の異性と恋愛することをいいます。

人の心には異性に恋をする機能が本能的に備わっており、それは結婚したからといって失われるものではありません。

実際、探偵社などが実施しているアンケートの結果を分析すると、浮気・不倫をしたことがある人の割合が2割を下回っている結果は見られず、3割を超えている例も多く見られます。

浮気・不倫は隠れてするものであり通常他人に言うものではありませんので、実際に配偶者以外の異性と恋愛している人の割合は3割を大きく超えている可能性さえあります。

「婚外恋愛」に至るまでのステップは、結婚前の男女の通常の「恋愛」と同じであり、出会いやきっかけは様々です。

恋愛対象となる相手は、会社の同僚や学生時代の同級生から、インスタなどのSNS上で出会った人まで、多岐に渡ります。

最初は単なる友人関係であったとしても、お互いの仕事の不満や家庭内の問題について相談し合っているうちに異性として意識するようになり、恋愛関係に発展することもあるでしょう。

その恋愛関係が、時々LINEを送信し合う仲なのか、たまに会って相談をし合う仲なのか、一緒に旅行に行く仲なのかなど、男女間の仲の良さの程度は様々ですが、いずれの段階だとしても、相手の異性に対して恋愛感情がある場合には「婚外恋愛」と呼ばれているようです。

⑵ただし「婚外恋愛」は結婚のルール違反

上述したように、人は、結婚していても配偶者以外の異性と浮気・不倫をしてしまうことがある生き物です。

しかし、配偶者以外の異性と交際(浮気・不倫)することは結婚の「正しいルール」に違反する行為です。

2.婚外恋愛と不倫(不貞)の違い

婚外恋愛と不倫(不貞)の違い

配偶者以外の異性との付き合い方は様々であり、会話を楽しんだり食事などに行ったりするだけのプラトニックな関係にとどまっている場合もありますし、繰り返し肉体関係を結んでいるような関係の場合もあります。

気持ちの程度も様々であり、ただの遊びや流れでそのような関係となっているに過ぎない場合もありますし、本気の恋に落ちてしまっている場合もあるでしょう。

ただ、法律上「不貞」と言われるのは、配偶者以外の異性と性交渉又はその類似行為をすることをいい、性交渉とは男性器の女性器への挿入行為をいいます。

そのため、「不貞」かどうかは、原則として、気持ちの程度や会話の内容・デートの頻度などとは無関係であり、基本的には、ただ肉体関係があるかないかで判断されます。

つまり、たとえお互いに相思相愛の深い信頼で結ばれていたとしても、愛情表現たっぷりの言葉を交わしていたとしても、頻繁にデートなどの逢瀬を重ねていたとしても、キスをしていたり抱き締め合っていたりしたとしても、肉体関係を結んでいなければ原則として「不貞」ではないということになります。

まとめると、婚外恋愛と不倫との大きな違いは、「不倫(不貞)」は「男女間の肉体関係」を指すものであることに対して、「婚外恋愛」は「肉体関係の有無を問わず配偶者以外との異性との恋愛関係全体(不倫の場合も含む)」を指すものであるという点です。

昨今では、”婚外恋愛”という”不倫”よりも罪悪感の薄い言葉につられて、軽い気持ちで不倫をしている既婚者も少なくないようです。

ただし、配偶者以外の異性と恋愛することには、以下で解説するような多くのリスクやデメリットがつきまといます。

3.婚外恋愛のリスク①配偶者からの離婚・慰謝料請求

⑴不貞が原因で離婚に至った場合は離婚慰謝料が発生する

婚外恋愛のリスク①配偶者からの離婚・慰謝料請求

「不貞」は法定離婚原因として定められています(「配偶者に不貞な行為があったとき」(民法770条1項1号))。

そのため、たとえただの遊びのつもりで男性との婚外恋愛を楽しんでいたものであって、夫と離婚する気など全くなかったとしても、夫がそれを許さずに離婚を望む場合は、最終的には離婚裁判で離婚判決が出されてしまうリスクがあります。

しかも、離婚の際には150万円〜300万円程度の離婚慰謝料を支払わなければならないことになるリスクもあります。

ただし、「不貞」したからといって養育費や財産分与などとった他の離婚の際の請求ができなくなるものではありません。

養育費や財産分与などといった他の離婚条件に関しては、あなたの「不貞」とは無関係に夫に請求することが可能です。

⑵「不貞」がない婚外恋愛の場合の離婚慰謝料

「不貞」とは配偶者以外の異性と性交渉又はその類似行為をすることをいい、性交渉とは男性器の女性器への挿入行為をいいます。

そのため、異性と親しい友人関係であっただけの場合や、恋人ではあるが肉体関係の伴わない関係であったに過ぎない場合は、「不貞」はありません。

ただし、以下のような証拠が存在している場合には、本当に肉体関係が存在していなかったとしても、裁判所に肉体関係が存在していた(「不貞」があった)と認定されてしまう可能性が高いです。

裁判所が肉体関係が存在していたと認定する可能性が高い証拠の例

  1. ラブホテルに出入りしていることを証明する写真など
  2. 2人きりで宿泊を伴う旅行に出かけたことを証明する写真や旅館の領収書など
  3. いずれかの自宅に長時間滞在・宿泊したことを証明する写真など
  4. 肉体関係が存在している男女間のやり取りとしか思えないようなLINE・メール・SNSでのやり取りの証拠
  5. 配偶者に対して肉体関係が存在していたことを認めたように見える謝罪文などの証拠

⑶離婚した後に不倫が発覚した場合の離婚慰謝料

配偶者が不倫のことを知らないまま離婚するに至ったとしても、離婚した後になってから、不倫の事実がバレてしまうことがあります。

例えば、離婚した直後に恋人と再婚したことや、同居していた住居に残していった物品などがきっかけとなって、離婚後に元配偶者があなたの不倫を知ることとなることはあり得ます。

その場合でも、一度成立した離婚が無効となったり取り消されたりすることは通常ありません。

ただし、その場合は、離婚成立後であったとしても、元配偶者から不倫慰謝料請求をされる可能性があります。

4.婚外恋愛のリスク②恋人を紛争に巻き込んでしまう

⑴恋人があなたの配偶者から不倫慰謝料請求される可能性

あなたの配偶者があなたの恋人に対して不倫慰謝料請求をしてくる場合があります。

その場合は、自分の配偶者と恋人との間で、不倫の慰謝料請求を巡る紛争が開始されることとなります。

あなたと恋人は純粋な婚外恋愛を楽しんでいただけであって、婚外恋愛のパートナーとの間に肉体関係がなかったとしても、不倫(不貞)があったと勘違いした配偶者が不倫慰謝料請求へ踏み切ることはよくあります。

「浮気・不倫をされた!」と感じた配偶者は、悔しさや悲しみから感情的になり、法外に高額な不倫慰謝料請求をしてくることも多いです。

その他にも、直接の謝罪を要求したり、職場を辞めるように迫ったり、脅迫まがいの言動をしてくる場合もあります。

そのような紛争に対応していくことはとてもストレスフルなものです。

⑵求償権・求償請求をされる可能性

恋人があなたの配偶者に不倫慰謝料を支払った場合には、恋人はあなたに対して求償権を取得することとなります。

不倫は一人でするものではなく男女が共同して行うものですので、不倫の責任は不倫の当事者である男女が共に負うこととなります。

しかし、不倫慰謝料の請求は、法律上、不倫の当事者双方に請求するのではなく、不倫の当事者の片方のみ(配偶者の不倫相手のみ、又は、不倫をした配偶者のみ)に請求することが認められています。

そして、不倫の当事者の片方のみが不倫慰謝料を支払った場合は、本来であれば不倫の他方当事者が負うべき慰謝料の分も一人で支払っていることになります。

そのため、恋人が自分の配偶者に対して不倫慰謝料を支払った場合には、恋人はあなたに対してあなたが負うべき責任の分の金員(通常慰謝料総額の4割〜6割程度)を請求する権利を取得することとなります。

この恋人からあなたに対する請求権のことを求償権といい、求償権に基づく請求のことを求償請求といいます。

例えば、恋人があなたの配偶者に対して不倫慰謝料として100万円を支払った場合には、恋人があなたに対してその4割〜6割である40万円〜60万円を請求してくる可能性があるということです。

そして、求償権請求は法律上の正当な権利ですので、求償権請求された場合にはその金額を支払わなければならない可能性が高いです。

なお、逆にあなたが配偶者に対して不倫慰謝料を支払った場合には、あなたは恋人の異性に対して求償請求をすることができます。

5.婚外恋愛のリスク③恋人の夫・妻からの慰謝料請求

⑴不倫慰謝料の相場

付き合っていた恋人が既婚者だった場合は、その恋人の夫・妻から不貞慰謝料請求を受けるリスクがあります。

恋人の配偶者から見れば、あなたは自分の配偶者の「不倫相手」ですので、恋人の配偶者に対して不倫の慰謝料を支払う義務が発生している可能性が高いです。

不倫慰謝料の相場金額は、不倫が原因で相手夫婦の婚姻関係がどのような状況に至ったかによって、大きく変わります。

不倫慰謝料の相場金額
相手夫婦の婚姻関係 慰謝料金額
同居のまま 50万円〜100万円程度となる場合が多い
別居に至った 100万円〜150万円程度となる場合が多い
離婚に至った 150万円〜300万円程度となる場合が多い

具体的に裁判所が認める不倫慰謝料の金額は個別具体的な事情によってかなりの幅があり、中には500万円を超える金額が認められているケースもあります。

恋人が既婚者である場合には、恋人の配偶者から高額の不倫慰謝料請求を受ける可能性があり、最終的には裁判(損害賠償請求訴訟)を提起されてしまう可能性もあるという点を念頭に置く必要があります。

⑵ダブル不倫であることの問題点

婚外恋愛の交際相手が既婚者だったということは、ダブル不倫の状況であるということです。

ダブル不倫の当事者に不倫の事実が発覚した場合には、極めて複雑錯綜した状況に陥っていくリスクがあります。

特に、あなたが不倫慰謝料請求をされていることをあなたの配偶者が知った場合には、状況は一気に複雑化します。

あなたの配偶者はあなたの恋人(不倫相手)に対して不倫慰謝料請求をすることができますが、そのことがあなたに有利に働く場合も不利に働く場合もあります。

ダブル不倫で慰謝料請求された場合には、不倫慰謝料を専門としている弁護士に相談・依頼をすることをおすすめします。

6.婚外恋愛のリスク④配偶者と離婚できなくなる

6.婚外恋愛のリスク④配偶者と離婚できなくなる

「不貞」をしたあなたはいわゆる「有責配偶者」(婚姻関係の破綻に主な責任を負う配偶者)であるとされてしまうリスクがあります。

「有責配偶者」とされてしまった場合には、裁判所は原則として離婚を認めてくれません。

そのため、相手が離婚に合意しなければ、長い期間離婚したくても離婚できない状況に陥ってしまうリスクがあります。

7.婚外恋愛のリスク⑤別居した際に婚姻費用がもらえない

配偶者と別居することとなった場合、配偶者よりも自分のほうが収入が低いか、自分が専業主婦などで無収入である場合には、配偶者に対して生活費(婚姻費用)を請求することができます。

しかし、配偶者との夫婦関係が悪化して別居するに至った原因があなたの婚外恋愛(不倫)にあり、あなたが「有責配偶者」とされてしまった場合には、夫に対して生活費(婚姻費用)を請求することが権利濫用又は信義則上許されないこととなってしまうリスクがあるため注意が必要です。

なお、その場合でもあなたが子供と暮らしている場合には、養育費相当額の支払いは受けることができます。

8.人生という有限の時間を誰と生きるか

人生という有限の時間を誰と生きるかという問題

配偶者との結婚生活を続けながら、バレないように婚外恋愛を続けていくことは、恋人との関係が深まるにつれて困難となっていくものです。

いずれ、配偶者との夫婦関係を取るか・恋人との関係を取るかの選択を迫られる時が来るかもしれません。

恋人との関係を解消して、配偶者との関係を円満に維持・継続するための努力をしていくとの選択をすることもあるでしょう。

また、配偶者との関係を解消する(離婚する)方向で人生の舵を切ることもあり得る選択です。

「好きな人ができた」という理由で始まった離婚問題や、浮気・不倫をしていた有責配偶者からの離婚請求により始まった離婚問題が、離婚が成立する形で解決することは特に珍しいことではなく、よくある離婚の形の一つでもあります。

レイスター法律事務所では、無料相談において、

  1. 不倫慰謝料に関するリスクの状況
  2. 離婚に向けて進める場合の離婚の成立可能性
  3. 離婚交渉の方針や早期離婚達成のための交渉戦略
  4. 離婚が成立する場合の離婚条件(財産分与・慰謝料・養育費など)の金額の幅などの離婚問題全般の見通し

などについて、具体的なアドバイスを行なっています。

婚外恋愛や不倫、離婚問題でお悩みの際は、是非、こちらからお気軽にご連絡ください。

     

この記事の執筆者

弁護士山﨑慶寛

弁護士法人レイスター法律事務所
代表弁護士 山﨑慶寛

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