モラハラとは?モラハラ夫(妻)の特徴や具体的な言動と対処法

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モラハラとは?モラハラ夫(妻)の特徴や具体的な言動と対処法

モラハラ(モラルハラスメント)とは精神的虐待(精神的暴力)のことを言います。

夫婦間のモラハラは、モラハラ被害者に逃げ場がないため、精神疾患などの深刻な被害が発生しかねないものです。

モラハラ人間の大きな特徴の一つに「自分は相手よりも上・相手は自分よりも下」という精神性があり、そこから様々なモラハラ行動が引き起こされます。

モラハラ夫(妻)の一般的な特徴、具体的なモラハラ行動、モラハラ被害者が陥りがちな状況を解説します。

1.夫婦間のモラハラは極めて深刻な問題

夫婦間のモラハラは極めて深刻な問題

モラハラの正式な名称は「モラルハラスメント」であり、簡単にいうと精神的虐待(精神的DV)を受けることです。

夫婦は本来であれば互いに尊重し合い、精神的・肉体的に守り・守られるべき存在であるはずです。

しかしながら、最新の司法統計(令和4年度・第 19 表 婚姻関係事件数―申立ての動機別)を見ると、夫と離婚したい妻の約26.2%、妻と離婚したい夫の約21.3%が、「精神的に虐待する」との理由で離婚を決意し、離婚調停を申し立てています。

離婚の決意とまでは行かずとも、日々パートナーによるモラハラの被害に苦しめられている被害者の総数は、極めて多いものでしょう。

夫婦間のモラハラは「家庭」という「三密」で恒常的に行われるため(密閉空間・密集場所・密接場面でのモラハラ)、モラハラの被害者には逃げ場がなく、精神的にどんどん追い詰められていってしまいます。

その結果、精神的に限界まで追い詰められてしまい、精神疾患を発症してしまう例もあります。

夫婦間のモラハラの特徴

…「家庭」という「三密」での恒常的なモラハラ

  1. 密閉空間でのモラハラ
    ⇨モラハラをしてくる配偶者と生活の本拠が同一なので逃げ場がない
  2. 密集場所でのモラハラ
    ⇨夫婦間のモラハラは同一の部屋内で行われるので逃げ場がない
  3. 密接場面でのモラハラ
    ⇨夫婦間のモラハラは対面で行われるので逃げ場がない


精神疾患などの深刻な被害

深刻な事態になる前に、モラハラをしてくる夫(妻)との付き合い方をしっかりと見直していくことが必要です。

2.モラハラをしてくる配偶者の特徴

⑴結婚前にはモラハラ人間と気がつけない

多くのモラハラの相談を受けていると、相手のモラハラで婚姻関係が破綻した夫婦も、婚姻前には「相手がモラハラをしてくるような人間であるとは感じられなかった」という例が多く見られます。

モラハラをしてくる配偶者の特徴①

婚姻前には相手がモラハラ人間であることに気がつけないことが多い

⑵モラハラは繰り返される

結婚した後に始まったモラハラ行動は、波はあるものの、改善されることはなく、事あるごとに繰り返され、延々と続く例が多い印象です。

あたかも、モラハラ行動をするチャンスを虎視眈々と狙っているのではないか、とさえ思われる場合もあります。

モラハラをしてくる配偶者の特徴②

モラハラ行動が一旦始まったら、改善されずに事あるごとに繰り返される

⑶モラハラはエスカレートしていく

モラハラ行動の悪質性の程度は、最初は些細な程度の軽いモラハラから始まり、それが徐々に助長して酷いモラハラになっていく例がよく見られます。

モラハラをしてくる配偶者の特徴③

最初は程度の軽いモラハラ行動から始まり、徐々に程度の酷いモラハラ行動にエスカレートしていく

⑷一見問題のない人物のように見える

配偶者に対しては相当ひどいモラハラ行動を恒常的に行っている夫(妻)も、家庭外の人間に対する関係では非常にうまくやっている人が多い印象です。

人当たりが良かったり、とても素直な人物に見えたり、熱量のある優秀な人物として扱われていたり、信用を集めている人物であったりします。

また、モラハラ行動を行なっている本人も、自分は優秀な人間であると自負している例が多い印象です。

モラハラをしてくる配偶者の特徴④

家庭の外では全く問題のない人物であるかのようにうまくやっている

⑸自分がモラハラ人間であると気づいていない

モラハラ人間は、自分が日常的に行っている行動が「モラハラ」と呼ばれるような精神的虐待(精神的DV)であって、それを受けている被害者が精神的に傷ついて追い詰められていっていることに全く気がついていない場合も多い印象です。

モラハラをしてくる配偶者の特徴⑤

モラハラ人間は自分がモラハラ人間であることに気がついていない場合が多い

3.モラハラ人間の行動の特徴

モラハラ人間の行動の特徴

モラハラ人間の大きな特徴の一つに、「自分は相手よりも上・相手は自分よりも下」という精神性があります。

また、モラハラ人間は、自分の言動が相手を傷つけるような性質の言動であることに気がついていません。

そのため、モラハラ人間は、以下のような行動を平気で繰り返します。

モラハラ行動

⇨「自分は相手よりも上・相手は自分よりも下」との精神性

  1. 常に自分目線でのみ物事を解釈して、相手にその解釈を押し付けてくる
  2. 相手の価値観や人間性を否定するようなひどい言葉を平気で言い放つ
  3. 相手の判断を真正面から否定して、相手の意見を決して認めず、自分の意見の正しさを殊更に強調して押し付けてくる
  4. 相手がしてくれた行動を減点方式で捉えて、マイナスな点を見つけ出して非難してくる
  5. 相手よりも自分が優れておりかつ反論のし難い点(学歴・収入など)を強調し、その点のみをピックアップしてそれを殊更に示して論破してこようとする
  6. 細かいルールを遵守するように押し付けてくる
  7. 相手が妥協することを許さず、全て「言い訳」ということにされる
  8. 相手は何をしてもダメな人間であるとのレッテルを貼ってくる
  9. 相手を過度に束縛してくる
  10. 自分が怒ったり苛立ったりしているのは相手のせいであると考えている
  11. 自分の失敗を認めることをせず、自分の失敗の責任をどうにか相手に被せようとしてくる
  12. 相手の失敗は決して許さず、些細なミスまで殊更に指摘して、反省の態度を示すまで精神的に追い詰めるような言葉を何度も投げかけ、事あるごとに繰り返し話に出して責めてくる
  13. 家族や友人などに対しても相手の名誉感情を害するような言動を平気で行う(時には相手を貶めるような嘘の事実を言い放ったりする)

4.モラハラの被害者が陥りがちなこと

モラハラの被害者が陥りがちなこと

夫婦は平等であり、互いに互いの意思や人間性を尊重し、互いの幸せの最大化を目指して支えあって生きていくことが理想でしょう。

しかし、モラハラ人間は自身が尊重されることを極めて重要視した言動を続けますが、基本的に相手の意見や人間性を尊重することをしません

相手からモラハラ被害を恒常的に受け続けていると、優しい人・夫婦関係を大切に思っている人ほど相手のことを思いやって、相手の機嫌を過度に気にするようになり、悪いのは自分であると考えるようになってしまったりします。

そして、自分がモラハラ被害に遭っていることに気が付かないまま、相手が言うことが全て正しい気がしてきて、自分がとても矮小な存在であると感じるようなってしまい、自信を失い、相手の機嫌を第一に考えて自分の意見を伝えることができなくなってしまって、さらに精神的に追い詰められていってしまったりします。

しかし、そのような生活は心をとてもすり減らしてしまいます。

あなたが相手のモラハラ行動が原因で眠れなくなったり、食欲がなくなったり、動悸がしたり、頭痛や腹痛が現れたり、過呼吸になったりした場合は、精神的に限界が近いことのサインです。

このままの生活では、うつ病となったり、適応障害を発症したりしてしまう可能性もあります。

中には、重い精神疾患を発症して初めて自分はモラハラ被害を受けていたことに気がついたといった例もあります。

この記事を読んでいる人は、自分の配偶者からされてきた言動が実はモラハラ行動であったのではないかと考えてみてください。

そして、自分が配偶者から受けてきた言動がモラハラであった場合には、そのような相手との付き合い方を改めて検討する必要があります。

5.モラハラ夫(妻)との離婚を検討している場合

モラハラ行動は、基本的に改善されず、徐々にエスカレートしていくものです。

そのため、どうにか対応していかなければ、いずれもっと酷い状況となった上で対応を迫られることとなってしまうかもしれません。

悪いのは、モラハラ被害を受けているあなたではなく、モラハラをしてくる相手です

配偶者からモラハラ被害を受けている場合は、精神的に瀬戸際まで追い詰められる前に、モラハラを理由として離婚する方向もあり得ます。

ただ、モラハラ人間との離婚では、離婚を切り出したとしても相手が離婚に合意しなかったり、相手が離婚条件に納得せずに協議が難航したりすることがよくあります。

モラハラ夫・モラハラ妻との離婚を考えている場合には、調停や裁判に至る可能性を見据えて、事前に準備を進めることも重要です。

ひとりで悩む必要はありません。

配偶者のモラハラで離婚をお考えの際は、是非、当事務所の無料法律相談をご利用ください。

     

この記事の執筆者

弁護士山﨑慶寛

弁護士法人レイスター法律事務所
代表弁護士 山﨑慶寛

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