離婚の前に準備すること

PREPARATION 離婚の前に準備すること

離婚を決意したら

離婚は人生の大きな転機です。 日本では、夫婦間で離婚の協議を行う際に、どちらに非があるかや離婚の原因が何かなど、さまざまな事由が問題となりますが、子供がいるケースでは特に重要なポイントが増えます。
たとえば、配偶者が浮気や不貞行為をしていた、DVがあった、悪意の遺棄やモラハラといった夫婦関係の破綻原因があるなど、重大なトラブルが生じた場合には、離婚調停や離婚裁判に至ることも珍しくありません。 子供がいない場合の離婚であれば、主に、自分自身の今後の生活を考えて、新居や仕事を確保することがポイントになります。
一方、子供がいる場合の離婚となると、自分自身の今後の生活だけでなく、まずは、安心して子供と生活できる環境を整えること・子供の戸籍の問題・学校の問題・養育費の問題・そのほかの諸々かかる費用の問題等々のため、数多くの準備や手続きが必要になってきます。
夫婦間の問題がこじれた場合、最終的には離婚調停や訴訟などの法的手段をとることもありますが、話し合う段階から相場やメリット・デメリットについてきちんと知識を持っておくと、トラブルを最小限に抑えられるでしょう。

離婚前にやることリスト

  • 離婚を決意した理由を明確にする
  • 対立に備えた証拠の収集と確保
  • 離婚の話し合いの進め方を考える
  • 財産の確認と財産分与の準備
  • 別居のタイミングを考える
  • 別居後・離婚後の新しい住居の選定

LIST01

離婚を決意した理由を
明確にする

あなたは、なぜ離婚したいと思い、決意したのでしょうか。 不倫や暴力の場合には、離婚を決意した理由は明確ですが、日々のモラハラな言動や日常生活における性格の不一致など、ひとつの大きな理由ではなく、長年の様々な出来事の積み重ねが理由の場合もあるでしょう。
なぜ、夫とはこれ以上、婚姻関係を続けていけないと思ったのか、なぜ、離婚をしたいのかを夫に説明できるように、あなた自身の中で、離婚を決意した理由を明確にし、整理しましょう。

LIST02

対立に備えた
証拠の収集と確保

離婚の理由を明確にしたら、次に、その証拠を収集し、確保しましょう。
不倫(不貞)やDV、悪意の遺棄などが離婚の事由となる場合は特に証拠の有無が大きく影響します。 たとえば、配偶者の浮気が離婚の原因である場合、不倫の事実を裏付けるメール・LINE・不倫相手との写真や動画・ラブホテルの領収書やクレジットカードの利用履歴・日記・スケジュール帳・夫本人の告白の録音などが証拠となり得ます。 こうした証拠は離婚調停や離婚裁判でも有力な資料となるため、どちらの側に非があるかを認め合う合意がスムーズに成立しやすいでしょう。

LIST03

離婚の話し合いの
進め方を考える

まず、あなた自身が夫と離婚の話し合いをできるのかをよく考えましょう。 DVや精神的苦痛、さらに精神病の診断書が必要なほど強度のストレスを感じている場合、あるいは夫婦間の信頼関係が完全に破綻しているような場合、話し合いそのものが難しくなります。 仮に、離婚を切り出しすることができない、夫婦で離婚の話し合いができないと思ったら、早めに弁護士にご相談することをお勧めします。

LIST04

財産の確認と財産分与の準備

夫婦関係が破綻し、いざ法的に争うとなると、相手方の年収や資産をきちんと把握する必要があるため、調査や書き方・書類の整備などが欠かせません。適正な財産分与を得るためにも、まずは、財産のリストを作成しましょう。財産分与の対象となるのは、以下のとおり、夫婦の婚姻期間中に夫婦の協力によって形成された財産(夫婦共有財産)のすべてとなります。

  • ・現金
  • ・預貯金
  • ・不動産
  • ・有価証券(株や投資信託)
  • ・自動車
  • ・家具や家電
  • ・生命保険の解約返戻金
  • ・学資保険の解約返戻金
  • ・退職金(婚姻期間中に築いた分)
  • ・住宅ローン
  • ・教育ローン
  • ・自動車のローン
  • ・生活のためのカードローン

仮に、あなたが現在、配偶者名義の通帳を管理している場合であれば、今のうちに、銀行名・支店名・口座番号・取引履歴や残高がわかるように通帳をコピーして、夫の財産を証拠として残しておくことを強くお勧めします。 このように整理した一覧を作成すると、いずれ調停や裁判で提出が必要となった際にもスムーズです。

LIST05

別居のタイミングを考える

離婚を決意したあなたが、配偶者と同居をしながら、いつも通りの仕事・家事・育児もしつつ離婚の話し合いをすることは、相当な精神的負担がかかります。 このようなデメリットを考慮すると、夫婦同士のトラブルが深刻化する前に物理的距離をおくほうが得策なケースも多いです。
一方で、先に別居しているのであれば、離婚が成立する前であっても、日常生活上は、離婚した後の生活状況と変わらない生活を送ることができます。 さらに、別居してみると、夫(妻)が話し合いに応じる気があるのかどうかが見えてくる場合もあります。 あなた自身の気持ちや生活の見込みを考慮し、どのタイミングで別居するかを決定する必要があります。

LIST06

別居後・離婚後の新しい住居探し

離婚や別居を考える際、頭を悩ませるのが、新居の問題です。 特に、シングルマザーになる場合、経済的負担や子供のケアを考えることが必要です。 現在の自宅から実家が近く、あなたの職場や子供の学校を変えなくても、いままでと近い環境で生活できるのであれば、実家への転居が心理的負担も少なく、メリットが多いでしょう。 また、あなたが仕事のときに母親(両親)に子供の世話をお願いできる点でも安心です。
しかし、実家が遠方の場合や、実家と縁が薄い場合などは、新居を探すことが必要になります。住み慣れない場所に引っ越すのは大変ですが、調停や交渉を進めるうえでも「どこに住むか」を明確にしておくと、話がスムーズに進みやすいです。
新居探しの際に、検討すべき主な点として以下が挙げられます。

  • ・子供が幼稚園・保育園に通っている場合、子供の転園必要か・子供が学校に通っている場合、子供の転校が必要か
  • ・子供がまだ小さい場合、転居先に教育に必要な施設はあるのか・あなたがすでに仕事をしている場合、転職が必要か
  • ・あなたが現在仕事をしていない場合、新しい職場が見つかりそうか

こうしたポイントを考慮して、どのような住環境が望ましいか、希望をはっきりさせておきましょう。
また、家計的に手当や支援を受けられる場合もありますので、国民健康保険の切り替えなど手続き面も合わせて確認しておくと安心です。

TO DO LIST

必要な持ち出し品リスト

別居の際、何を持ち出すべきなのでしょうか。
まずは、あなたと子供が生活していくうえでの生活必需品をリストアップしましょう。
別居したあとに、元の自宅に戻って荷物を持ち出すことになると、配偶者と会うことになるという心理的な負担もあります。
心身の安全確保のためにも、段階的に用意を進めましょう。

  • ・現金・自分名義の通帳、キャッシュカード・印鑑(実印・銀行印・認印)・健康保険証・年金手帳など、年金関連書類・クレジットカード
  • ・あなたの収入資料(源泉徴収票や確定申告書の写し)・あなたの財産を証明する資料(不動産の権利証・保険証・車検証など)
  • ・離婚の証拠資料(配偶者の不倫の証拠など)・写真など、あなたにとって思い出の大切なもの・衣類・子供の健康保険証、母子手帳、お薬手帳
  • ・子供名義の通帳、キャッシュカード・学用品(ランドセル・教科書など)・子供の衣類(制服や体操着も含む)

自宅の残置物はどうなる?

子連れ別居となると、ただでさえ荷物は多くなります。 子供の荷物を優先し、やむを得ずあなたの荷物を置いていく場合もあるかもしれません。
では、自宅に置いていった物(残置物)はどうなるのでしょうか。 まず、あなたはすでに配偶者と別居しており、夫(妻)が自宅に住んでいる場合、たとえ鍵を持っていたとしても、相手の許可なく自宅に入ることはできません。 許可なく勝手に自宅に入った場合、住居侵入罪という刑事上の犯罪に問われる可能性があります。 そのため、残置物を取りに行くときには、事前に配偶者に連絡をし、自宅に入る許可を得る必要があります。また、配偶者に依頼し、残置物を宅配業者から配送してもらう方法もあります。 この場合、相手とのやりとりを最低限にし、行き違いを防止するためにも、どの荷物がどこにあるのか、別居前に写真を撮っておくとよいでしょう。

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