【DVの種類】DV(家庭内暴力)は身体的暴力以外も存在する!

DV被害の可能性を感じたら

 DVの種類には、身体的DV以外にも、精神的DV、経済的DV、性的DV、社会的DVがあります。
 その他にも、悪質なDVの手法として、子どもを使ったDVがあります。
 コロナ禍の影響により夫婦で過ごす時間が増加したことに伴い、今まで見えてこなかった配偶者のDVの予兆を感じることもあるでしょう。
 ご自身がDVの被害を受けていることはないか、配偶者がDVをしてくる予兆を示してはいないか、ご確認ください。

1.DVとは身体的暴力だけを指すものではない

DV(家庭内暴力)は、絶対にあってはならないはずの最悪の行動です。

DVと言われて真っ先に思い浮かべるのは、殴る・蹴るなどといった身体的な暴力でしょう。

ただ、DVとは、そのような身体的暴力に限られるものではなく、その他にも様々な種類のDVが存在しています。

DVの種類

①身体的DV(身体的暴力)
②精神的DV(精神的暴力)
③経済的DV(経済的暴力)
④性的DV(性的暴力)
⑤社会的DV(社会的暴力)
⑥子どもを使ったDV

①身体的DV(身体的暴力)

身体的DV(身体的暴力)は、DVの典型例であり、例えば以下のような行為です。

 身体的DV(身体的暴力)の具体例 

  1. 殴る、蹴る、小突く、腕をねじる、首を絞める
  2. 突き飛ばす、階段から突き落とす
  3. 髪を引っ張る、髪を持って引きずり回す
  4. 物を投げつける
  5. 必要な治療を受けさせない
  6. 包丁などの凶器で切りつける、突きつける
  7. このような行動をする素振りを見せて脅かす

②精神的DV(精神的暴力)

精神的DV(精神的暴力)は「モラハラ」とも呼ばれるもので、DVの一種です。

夫婦間のモラハラは「家庭」という「三密」で恒常的に行われるため、逃げ場がなく、精神的にぎりぎりまで追い詰められてしまい、精神疾患を発症してしまう例もある、深刻な問題です。

夫婦間のモラハラの特徴
「家庭」という「三密」での恒常的なモラハラ

密閉空間でのモラハラ
モラハラをしてくる配偶者と生活の本拠が同一なので逃げ場がない
密集場所でのモラハラ
夫婦間のモラハラは同一の部屋内で行われるので逃げ場がない
密接場面でのモラハラ
夫婦間のモラハラは対面で行われるので逃げ場がない

  ↓
精神疾患などの深刻な被害

配偶者暴力防止法(DV防止法)も、精神的DV(精神的暴力)も「配偶者からの暴力」(すなわちDV)に該当することを定めています(同法1条1項)。

配偶者暴力防止法(DV防止法)1条1項

「この法律において「配偶者からの暴力」とは、配偶者からの身体に対する暴力(身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすものをいう。以下同じ。)又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動(以下この項及び第二十八条の二において「身体に対する暴力等」と総称する。)をいい(略)」

例えば以下のような行為は精神的DV(精神的暴力)に当たる場合があります。

 精神的DV(精神的暴力)の具体例 

  1. 独善的な解釈や自分の判断を押し付けてくる
  2. 口汚くののしる、暴言を吐く
  3. 脅す
  4. 価値観や人間性を否定したり、見下すような発言をする
  5. 強く従わせようとする
  6. 大声で怒鳴る
  7. 無視する
  8. 発言をさせない
  9. 自宅への出入りを制限する、自宅から締め出す
  10. 大事にしている物を壊す、捨てる
  11. 趣味や大事にしている物事をバカにする
  12. 人前でバカにする
  13. 自分の失敗や苛立ちの原因・責任を押し付けてくる
  14. 謝罪や反省を強いてくる
  15. 命令口調で要求する

モラハラ行動は基本的に改善されず徐々にエスカレートしていくもです。

深刻な事態になる前に、モラハラをしてくる夫(妻)との付き合い方をしっかりと見直していくことが必要です。

モラハラに関する事項は以下の記事に詳しく解説していますので、ご確認ください。

③経済的DV(経済的暴力)

生きる上で金銭を消費することは必要です。

経済的DV(経済的暴力)は、その金銭を消費することを徹底的に制限し、管理下に置いて監視する行為です。

DV加害者の大きな傾向として、配偶者を力で支配したいという思いがあります。

その思いが、配偶者から経済力・金銭という生きるための力を奪うことに向かった形です。

例えば以下のような行為は経済的DV(経済的暴力)に当たる場合があります。

 経済的DV(経済的暴力)の具体例 

  1. 仕事をさせない、仕事を辞めさせて専業主婦(夫)になることを強いる
  2. 自由に使えるお金(お小遣い)を渡さない
  3. 何も買わせない、買い物の決定的を与えない
  4. 欲しいものを買う際に懇願・土下座をさせる、自分に都合の良い条件を出す
  5. 十分な生活費を渡さない
  6. 生活費を渡す時に懇願・土下座をさせる、自分に都合の良い条件を出す
  7. 生活のために預貯金を取り崩していたり、両親から援助を受けていたりすることを見て見ぬふりをする
  8. 生活のために借金をしていることを見て見ぬふりをする
  9. 過度に家計を管理する
  10. お金の使途を過度に細かくチェックして、使途の背景事情などについての詳細な説明を求めてくる
  11. 金銭の消費につき苦言を呈して謝罪を強要する
  12. 過度に倹約を強いる
  13. 家計の状況を頑なに明かさない
  14. 給与明細や自身が管理している家族の貯蓄口座の状況を頑なに明かさない
  15. 半ば無理やり借金を負わせる
  16. 生活のために借金をしていることを見て見ぬふりをする
  17. 相手の金を無断で使用する

経済的DV(経済的暴力)は、被害者が自身がDVの被害者であることに気が付きにくいとの特徴があります。

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④性的DV(性的暴力)

夫婦であっても同意のない性行為が許されないのは当然です。

また、避妊に協力しなかったり、中絶を強要したりすることも、当然許されない行為です。

例えば以下のような行為は性的DV(性的暴力)に当たる場合があります。

 性的DV(性的暴力)の具体例 

  1. 望まない性行為を強要する
  2. 過剰な頻度での性行為を強要する
  3. 嫌がる性的な行為、特殊な性的嗜好を強要する
  4. 写真や動画の撮影を強要する
  5. 性的な事柄について侮辱・否定する、性的に貶める
  6. 性的な事柄に関する告白を強要される
  7. 避妊に協力しない
  8. 望まぬ妊娠・出産を繰り返させる(多産DV)
  9. 中絶を強要する
  10. 扇情的な動画の視聴や書籍を読むことを強要する
  11. 身体を道具のように扱う

様々なDVの中でも性的DVは最も他人に相談しにくいDVであり、最も泣き寝入りが起こりやすいDVです。

ただ、性的DVにより被った精神的なダメージは、単純な身体的DVによるダメージよりも回復して立ち直ることができるまで非常に時間を要することが多いこともあり、その被害は深刻です。

言うまでもなく、性的DVは決して許されるものではありません。

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⑤社会的DV(社会的暴力)

家族や友人を含む家庭外の全ての人間関係の断絶・希薄化を強要することも、DVの一種です。

社会と断絶させられて、生きる世界が文字通り家庭内にしかない状況に置かれると、人は逃げられず、理不尽な要求に立ち向かう力も気力も失ってしまいかねません。

これも、配偶者を力で支配したいというDV加害者の思いが現れたものと言えます。

例えば以下のような行為は社会的DV(社会的暴力)に当たる場合があります。

 社会的DV(社会的暴力)の具体例 

  1. 実家や友人との交流を制限する
  2. 他者との関係の希薄化を要求する
  3. 行動を監視する
  4. 電話やメールをチェックする
  5. 携帯電話にパスワードをかけることを許さない、開示を求める
  6. 手帳などを細かくチェックする

⑥子どもを使ったDV

DVの道具・手法として、子どもが使われることもあります。

例えば、以下のような行動です。

 DVの道具・手法として、子どもが使われている例 

  1. 子どもを取り上げる
  2. あえて子どもの前で暴力を振るう
  3. 子どもの前で罵倒する
  4. 子どもを虐待する
  5. 「子どもに危害を加える」などと脅す
  6. 子どもに悪口を吹き込む
  7. 子どもに非難・中傷する内容の発言を言わせる

2.DV被害の可能性を感じたら

コロナ禍の影響での在宅勤務が増加したことや、休日に外出しないで自宅で過ごす時間が増加したことで、夫婦で過ごす時間が増えました。

その影響で、以前は問題とならなかった配偶者の側面が見えてくる場合もあり、ちょっとしたすれ違いからDVに発展していく場合もあります。

客観的に見ればDV被害を受けていることが明らかである場合も、DV被害者はそのことに気がついていない場合もあります。

仮にあなたが、もしかしたら自分DVの被害を受けているかもしれないなと思ったとしたら、実は「かもしれない」ではなくて、明らかなDV被害を受けている状況の可能性もあります。

DVの被害を受けているかもしれないな、もしかしたら配偶者にDVの予兆があるかもしれないなと感じた場合には、事態が悪化する前に、配偶者暴力相談支援センターDV相談プラス女性センター福祉事務所精神保険福祉センター、警察などに相談することをお勧めします。

また、将来の離婚を見据える場合には、できるだけお早めに、弁護士に相談しておくことをお勧めします。

レイスター法律事務所では、弁護士との法律相談を初回60分無料で実施していますので、ご希望の際は、こちらからお気軽にご連絡ください。

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