パパ活を行う女性が負う犯罪被害の危険性や売春行為のリスクを解説

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「パパ活」とは、一般に、女性が男性と一緒の時間を過ごし、その対価を得る活動のことを言います。

パパ活は、本来、性行為や性的な接触行為を前提としない活動であるはずです。

しかし、性犯罪の被害に遭う危険性があり、執拗かつ巧妙な売春への誘いを受ける状況があるために売春に至るきっかけとなるものでもあり、売春から盗撮や薬物の被害につながる場合もあります。

さらに、パパ(男性)の妻からの慰謝料請求を受ける可能性もあります。

パパ活は、女性の人生に影を落とすこととなりかねない極めてハイリスクな活動であり、楽にお金を稼げるちょろい方法ではありません。

この記事ではパパ活を行うことで女性が負う様々なリスクを解説します。

1.パパ活を生活に組み込んでいる女性が急増している

パパ活を生活に組み込んでいる女性が急増している

「パパ活」とは、一般に、女性が男性と一緒の時間を過ごし、その対価を得る活動のことを言います。

パパ活は、女性が男性と食事やドライブ、カラオケや映画鑑賞、テーマパークなどでの遊興などを行う時間を共有するものです。

近年、「パパ活」という言葉が急速に社会に浸透し、パパ活でお小遣い稼ぎをしている女性は急増し、パパ活の利用者を探す女性の数は、パパ活を利用する男性の数の2倍以上となっているのが現状です。

これほどまでに女性の間でパパ活が急速に浸透している理由は、パパ活は数時間男性と一緒に過ごすという低リスクに思われる行為をするだけで高額のお金を得ることができるという点や、パパ活専用のアプリやサイトなどのWebサービスが数多くリリースされて気軽に始めやすい社会的な環境が整備されている点にあると思われます。

本来の生活や本業に加えたプラスアルファの副業として小遣い稼ぎ感覚でパパ活を行う女性だけはなく、パパ活が日常生活の中心を占めている女性や、パパ活での稼ぎを生活維持の基盤としている女性も増えています。

しかし、パパ活は、女性にとって人生に影を落とすこととなりかねない極めてハイリスクな活動です。

この記事ではパパ活を行うことで女性が負う様々なリスクを解説します。

2.パパ活は性犯罪の被害に遭う危険性がある

パパ活は性犯罪の被害に遭う危険性がある

パパ活は、本来、性行為や性的な接触行為を前提としない活動であるはずです。

しかし、パパ活を利用する男性の中には性行為や性的な接触行為を行う女性を探している男性も相当数含まれています

パパ活は、そういう行為をしたいと思って女性を誘い出した素性の知れない男性と、カラオケやドライブ、自宅など、密室での交流を行う状況となることのある活動です。

当然ながら、無理やり性的な行為を強いることは強制わいせつ罪や強制性交等罪などの性犯罪であり、絶対にやってはならない行為です。

ただ、密室で男性から無理やり迫られることはとても怖いことですし、無理やりわいせつな行為を強いられた場合には、その事実は男性が逮捕されて有罪判決を受けようが男性から慰謝料の支払いを受けようが消えません

パパ活をしていなければ負わずに済んだ「人生に影を落とすような深い心の傷」を負うこともあります。

パパ活は、そのような性犯罪の被害に遭いやすい状況に自分をさらす活動なのです。

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3.パパ活は売春行為に至るきっかけとなる

⑴パパ活では執拗かつ巧妙な売春への誘いを受ける

パパ活は売春行為に至るきっかけとなる

パパ活が女性の間で急激に広まっている理由の一つに、「パパ活は性的な行為を伴わないため低リスクで気軽に行いやすい」と感じられるという点があります。

そのため、自分が売春行為をするなど夢にも思っておらず、むしろそのような行為に嫌悪感を感じているような女性も、気軽な気持ちでパパ活を始めたりします。

ただ、パパ活を利用する男性の中には、お金でセックスができる相手を見繕っている男性も相当数含まれていますので、売春行為の誘いを受けることもあり得ます。

実際に、パパ活をする中で性行為や性的な接触行為を求められた女性の数は半数近くにものぼるとの統計もあります。

パパ活では、挿入に至らない性交類似行為(手や口で男性に触れる行為やペッティング・愛撫など)を行うことを「プチ」と、本番行為(挿入行為)まで行うことを「ドカタ」「⚒️」「大人」などという隠語で呼ばれることがあります。

そして、それを行うことにより受け取ることができる報酬金(「お手当」)は、性行為や性的な接触行為を行わない場合よりも格段に高額となります。

女性と性行為を行う目的でパパ活を利用している男性は、女性を「自分の体を売る」方向に導くために様々なアプローチを仕掛け、女性の抱える事情や願望に付け込み、女性側のメリットや言い訳を代弁したり愛情表現を弄したりし、女性をその気にさせるべく巧妙に誘惑してきます

パパ活には「茶飯崩し」という隠語があり、これは、一般に、性行為は絶対に行わない気でいる女性(いわゆる「茶飯女子」)を口説いて籠絡して自分とだけは主体的に性行為を持とうとする関係に至らせることを指し、その過程をあえて楽しむ目的の男性もいます。

パパ活を行なっている女性の中には、男性からの巧妙なアプローチにより、特定の男性(いわゆる「イケオジ」)のことが好きになり、恋愛対象として見るようになることも珍しいことではないようです。

そのためもあり、自分が売春行為などするはずがないという確固たる性的価値観を有していた女性や、売春行為だけは絶対にしないと固く誓ってパパ活を開始した女性も、パパ活がきっかけとなり、まんまと揺さぶられてついつい男性からの誘いに応じて売春行為を繰り返す状況に陥ってしまうこともよく聞く話です。

売春行為をしている女性の大半は、かつては自分が他人にお金で「自分の体を売る」ようになるなんて夢にも思っていなかったはずです。

しかし、パパ活がきっかけとなり、売春行為に及ぶようになる女性は後を絶ちません。

パパ活で性行為を有することは違法な「売春」に当たるか

売春行為は売春防止法に違反する違法行為であり(売春防止法3条)、売春行為の相手を探す行為は売春勧誘罪や売春誘引罪として6月以下の懲役刑又は1万円以下の罰金刑に処せられる可能性もあります(売春防止法5条)。

売春防止法

・3条
何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない

・5条
売春をする目的で、次の各号の一に該当する行為をした者は、六月以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
1号 公衆の目にふれるような方法で、人を売春の相手方となるように勧誘すること。
2号 売春の相手方となるように勧誘するため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。
3号 公衆の目にふれるような方法で客待ちをし、又は広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引すること。

ただ、売春行為自体は犯罪ではなく、処罰の対象とはされていません。

また、売春防止法にいう「売春」とは、対償を受け又は受ける約束で不特定の相手方と性交することを指しますので、特定の男性との間でのみ体の関係を持っている場合にはこれに当たりません。

⑵素性の知れない男性と性行為に及ぶリスク

素性の知れない男性と性行為に及ぶリスク

売春行為はそれだけで性病に感染するリスクや望まぬ妊娠をしてしまうリスクがある行為です。

しかも、相手の男性は、あなたのことを愛おしく大切に思っているわけでも、性行為を行ったことの責任を背負うつもりがあるわけでもありません

たとえあなたが特定の男性のことを好きになっていたとしても、その男性は良くてあなたのことを手軽に自分の性的な欲望の吐口にしたいだけの人間です。

さらに、相手の男性がただ性行為をしたいだけであるにとどまらず、そこから様々な犯罪行為などを画策していることもあります。

例えば、パパ活が入り口となって、性行為の状況を盗撮されて悪用される被害(ネット上で晒される、有料動画サイトに流されるなど)や、違法な薬物の世界に引きずり込まれる被害に繋がることもあります。

素性の知れない男性との間で性行為を持つことは、女性にとって極めてリスキーです。

⑶売春行為を辞められなくなるリスク

売春行為を辞められなくなるリスク

本当にとても恐ろしいもので、一度売春行為に手を染めてしまった場合には、その後売春行為を辞めたいと思っても辞めることができないという状況に陥ってしまうリスクがあります。

短時間で高額のお金を稼げる売春行為は、簡単に人から健全な勤労意欲を奪ったり、人の金銭感覚を狂わせたりします

人には、楽な方・メリットを感じる方に簡単に流れ、それをしない方が良い理由には目を背け、それをし続ける理由や言い訳を探してはそれを繰り返すようになってしまいがちな弱い心があります。

短時間での高額の金銭の受け取りを経験することで、今までは当たり前のようにできていたはずの真っ当な所得獲得活動(仕事)の苦労が耐え難いもの・馬鹿らしいものに感じられるようになってしまうことがあります。

また、売春行為により高額の収入を得ることにより、今までできなかったような贅沢な食事・旅行などの遊興や欲しかった高級品の購入などができるようになり、金銭感覚が狂って浪費する癖を覚えてしまい、生活水準は上昇していきます。

そして、一度狂った金銭感覚や上昇した生活水準を戻すことは相当の困難を伴うものです

そのため、売春行為により一見楽に高額の金員を獲得する手段を得て、売春行為により得た金員が生活の中に組み込まれる状況に至った場合には、売春行為による収入を前提とした生活から抜け出せなくなってしまうことはよく聞く話です。

耐え難いと感じられるようになってしまった真っ当な仕事を辞めてしまい、あるいは不真面目な対応により職場での信頼を失うなどして続けづらい状況に陥ってしまい、その結果、パパ活という名の売春行為に生活が完全に依存した状況に至り、いよいよ売春行為を辞めることができない事態に陥ってしまうこともよくあることです。

⑷売春行為を続けることには必ず限界が来る

売春行為を続けることには必ず限界が来る

本来であれば性行為などしたくない相手とお金のためだけに性行為を行うことは、心に極めて多大な負荷が掛かることです。

また、性行為は相手によっては言葉では言い表せない程に本当に辛い経験になり得るものです。

売春行為はその性行為を素性の知れない相手と行う行為であり、今まではたまたま低リスクで済んでいたのかもしれませんが、この先に性行為の最中にどのような辛い状況が待ち受けているのかを予測できるものではありません。

今この瞬間は売春行為を続けていける気がしていたとしても、いつかはこれ以上売春行為を続けたくないという心の限界が訪れるものです。

このことは多くの女性たちの経験則が物語っている一つの真実であり、今この瞬間の自分の感覚や発想とは異なるとしても、決して軽視してはなりません。

売春行為を繰り返したことで失うものは単純には語れない程に多大なものです。

売春行為は女性にとってあまりにもリスクが大きい行為です。

うっかり足を踏み外したことで、人生が泥沼にはまっていき、取り返しのつかない代償を被る事態に陥ってしまうこととなりかねません。

売春行為は絶対にやめましょう

4.パパ活は男性の配偶者(妻)から慰謝料を請求されるリスクがある

パパ活の相手男性が既婚者だった場合には、男性の配偶者(妻)から不倫慰謝料を請求されるリスクがあります。

パパ活を理由とする不倫慰謝料請求の問題については、【パパ活とは?夫がパパ活をしていた場合の慰謝料請求と離婚問題を解説・3.パパ活を理由とする不倫慰謝料請求の可否】をご確認ください。

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5.パパ活は女性の人生に影を落としかねない活動です

パパ活は女性の人生に影を落としかねない活動です

パパ活とは、いわば、いつでも気軽に開始できる「用法用量を守って正しくお使いください」という注意書きのある損得勘定で結ばれた男女の交流です。

そして、トラブルなくパパ活を続けるためには、その注意書き記載の事項を自分がしっかりと守るだけではなく、相手にもしっかりと守ってもらうことが必要です。

しかし、その相手は、見ず知らずの素性の知れない相手であり、あなたに対して一切の責任を負うつもりはなく、裏で何を考えているのか分かったものではありません

パパ活は、女性の人生に影を落とすこととなりかねない極めてハイリスクな活動であり、楽にお金を稼げるちょろい方法ではありません

パパ活に起因した離婚・男女トラブルでお悩みの際は、是非、こちらからお気軽にご連絡ください。

     

この記事の執筆者

弁護士山﨑慶寛

弁護士法人レイスター法律事務所
代表弁護士 山﨑慶寛

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