コラム
相続財産が離婚時の財産分与の対象となる例外的な場合を解説します
相続財産なのに財産分与の対象になるの?
遺産相続により得た相続財産は、相続人の配偶者が何かしてくれたおかげで取得できたものではありません。
相続財産を取得したことと、相続人の配偶者は全く無関係です。
そのため、相続財産は相続人の特有財産であって、離婚時に相手に財産分与する必要がないのが原則です。
ただし、相続財産が財産分与の対象となる例外的な状況も存在しています。
特有財産とは?財産分与の対象かどうかがよく争われるパターンを丁寧に解説
財産分与の対象とならない特有財産の輪郭
特有財産(独身時代に形成した財産、相続した財産など)は財産分与の対象とならないのが原則です。
ただ、特有財産性を巡る話し合いには一筋縄ではいかない多くの問題が含まれています。
例えば、特有財産を原資の一部に用いて得た別の財産は財産分与の対象となるでしょうか。
また、特有財産と夫婦共有財産が混ざり合って渾然一体となっている預貯金は財産分与の対象となるでしょうか。
さらに、お小遣いをコツコツ貯めて築いた預貯金は、離婚の際に相手に分与しなければならないのでしょうか。
財産分与のやり直しは可能?相手の財産隠しが発覚した場合の対処法
相手の隠し財産発見!財産分与のやり直しだ!
離婚時の財産分与の取り決めの際に相手が預貯金などの財産を隠す場合があります。
相手の財産隠しに気が付かつかないまま合意をしてしまうと、その分財産分与でもらえる金額が減少してしまいます。
ただ、財産の隠し得など許されるはずがありません。
離婚後に相手の隠し財産が発覚した場合、その相手の隠し財産を分与してもらうためには、具体的にどのような方法があり得るでしょうか。
また、そもそも相手が財産隠しをしている可能性がある場合は、どのように話し合いを進めれば良いでしょうか。
退職金の財産分与の具体的な計算方法を詳細に説明します
退職金の財産分与の計算方法はいくつもある
財産分与における受給済みの退職金の分与金額の具体的な計算方法にはいくつかの考え方があります。
また、未だ受給していない退職金は財産分与の対象となる場合とならない場合がありますし、財産分与の対象となる場合であっても財産分与における具体的な計算方法にはいくつかの考え方があります。
さらに、分与する時期(相手に支払う時期)を退職金が将来支給された後とする例もあります。
ご自身にとって有利な方法を把握しておくことは、離婚の話し合いで有益です。
退職金が離婚時の財産分与の対象となる場合とならない場合を解説
退職金は財産分与の対象となるか
財産分与の基準時(別居時又は離婚時のいずれか早い方)において、既に受給済みの退職金は財産分与の対象となります。
ただ、財産分与の基準時において、既に受給された退職金を消費していた場合はどのような扱いになるのでしょうか。
また、未だ受給していない退職金は財産分与の対象となるのでしょうか。
この記事では、退職金が財産分与の対象となる場合とならない場合を解説しています。
財産分与の割合の「2分の1ルール」の例外を解説!有利な財産分与のために検討しよう
財産分与の割合が「2分の1」以外になる場合
財産分与の割合を支配する「2分の1ルール」は大原則ですが、例外があります。
財産分与の割合が「2分の1」以外の割合となり得る場合には、概ね5つのパターンがあります。
それは、①協力扶助義務の分担状況の大きな不均衡がある場合、②夫婦の一方の特殊な才能により形成された財産が含まれている場合、③夫婦に同居していない期間が存在している場合、④夫婦の一方が著しい浪費によって夫婦共有財産を減少させていた場合、⑤夫婦財産契約(婚前契約)で財産分与の割合が取り決められていた場合です。
財産分与の割合を支配する「2分の1ルール」とは?
財産分与の割合は「2分の1」が当たり前?
財産分与の割合は、家庭裁判実務上、「2分の1」が大原則です(「2分の1ルール」)。
自宅や自動車、預金・貯金、生命保険・学資保険、株式・有価証券、家具家電などの動産類、退職金や確定拠出年金なども全て「2分の1」。
高収入の人も専業主婦も「2分の1」です。
この「2分の1ルール」の理由や例外、功罪(メリットとデメリット)を解説します。
有利な財産分与を勝ち取るために!財産分与の「財産」以外の考慮要素を解説
財産分与を「財産」以外で有利に進めよう!
財産分与は、夫婦共有「財産」を離婚時に分け合う制度ですが、実は、このように「財産」に着目した財産分与は、数種類ある財産分与のうちの①「精算的財産分与」のことを指しています。
そして、財産分与には、①「精算的財産分与」の他にも、②離婚後の扶養を考慮する「扶養的財産分与」、③離婚に伴う慰謝料を考慮する「慰謝料的財産分与」、④婚姻費用の分担の状況を考慮する「過去の婚姻費用の精算」があります。
このような多様な財産分与の中に、財産分与の話し合いを有利に進めるヒント・きっかけが隠されている可能性があります。
【離婚届】離婚届の「証人」欄について知っておきたい事項
離婚届の「証人」欄が空欄だと離婚できません
協議離婚が成立するタイミングは、役所に離婚届を提出して役所に離婚届が受理されたタイミングです。
離婚届は、大部分が離婚の当事者である夫婦のみで作成できますが、「証人」欄はそうはいきません。
役所は証人欄が空欄だと離婚届を受理しませんので、証人欄を記載してくれる人がいないと離婚できません。
この離婚届にある「証人」欄とは一体なんなのでしょうか。
証人欄を記載して協議離婚を完遂させるために必要なことについて解説しました。
再婚により養育費が打ち切り・減額になる場合とならない場合を解説
再婚したら養育費の取り決めを見直そう
離婚する際に合意した養育費に関する取り決めを後から変更することは可能です。
ただし、それをするためには、そうしなければならないだけの「事情の変更」が発生したことが必要です。
そして、再婚それ自体は養育費の取り決めを変更するべき「事情の変更」には当たりません。
ただし、再婚に伴って専業主婦・再婚相手の連れ子などの新たな扶養対象者が増えたり、子どもが再婚相手と養子縁組をしたなどの事情が発生した場合には、養育費の打ち切りや養育費の金額の減額が認められる場合があります。